瀬戸市制施行77周年記念 加藤作助襲名記念
瀬戸市美術館では、全国的に活躍されている陶芸作家を取り上げる特別企画展を、瀬戸市の市制記念日である10月1日に合わせて開催しています。今年は、愛知県無形文化財保持者の五代加藤作助
先生の展覧会を開催します。
五代加藤作助(伸也)先生は、昭和41年に東京芸術大学大学院美術研究科陶芸講座を修了後、東京芸術大学の副手となり、昭和43年から、生家である作助工房で作陶活動に入ります。しかし、伝統陶芸の世界だけにとどまることはなく、「灰釉象嵌」という新分野に挑み、近代的感覚と技法において、独自の世界を確立させていきます。そして瀬戸の伝統的な織部・黄瀬戸に本格的に取り組むようになり、
平成10年には瀬戸市の無形文化財保持者として認定され、平成16年には愛知県の無形文化財保持者に認定されています。
その活動の中で、日本伝統工芸展は36回連続入選、東海伝統工芸展では愛知県
知事賞等を受賞、中日国際陶芸展では名古屋市長賞を受賞するなど、各種展覧会へも積極的な出品がなされています。加えて、すでに昭和62年からは社団法人日本工芸会理事、東海支部幹事長を就任されるとともに、文化庁主催の海外展への招
待出品や各種展覧会の審査員も務めており、まさに日本の伝統工芸界を代表する
陶芸作家と言えます。
その一方で、瀬戸陶芸協会の会長を3期務めるなど、長年にわたり地元陶芸界の
指導者として精力的な活動をされています。また、愛知県立芸術大学美術学部陶
磁専攻設立に携わり、以後、教授として、定年退官された今年まで、積極的に後身
の指導に当たり、優秀な人材を育ててこられました。これらのことは、瀬戸の陶芸
の向上に大きく寄与してきました。
今回の展覧会は、瀬戸市制施行77周年を記念するとともに、平成18年4月1日に
「作助」の名を襲名されたことを記念して開催するもので、先生の40年にわたる
創作活動を一堂に紹介します。そして、大学院修了作品から最近作までの作品を、
日本伝統工芸展出品作品を中心に代表作約50点を展示いたします。
本展覧会により、先生の陶芸に対する情熱をご理解いただくとともに、本展が、
瀬戸の陶芸の更なる発展に寄与できればと思います。
高大生:200円(160円:20名以上の団体)
中学生以下、心身障害者、妊婦、65歳以上の方は無料
日本伝統工芸展入選作品等約35点
織部・黄瀬戸の茶碗・向付等20点
平成10年に撮影した先生の制作ビデオをロビーにて放映します。
財団法人瀬戸市文化振興財団、瀬戸市
10月10日(火)、11月14日(火)
■講演会「私と“せともの”」 講師:加藤作助先生
○日時:10月8日(日) 午後1時30分から
場所:瀬戸市文化センター文化交流館31会議室
■ギャラリーレクチャー 講師:加藤作助先生
○「私と加藤土師萌・加藤唐九郎・荒川豊蔵先生」
日時:10月15日(日) 午後1時30分から
場所:瀬戸市美術館ロビー
○「私の恩師と私の陶磁教育」
日時:10月29日(日) 午後1時30分から
場所:瀬戸市美術館ロビー
○「“瀬戸染付”の存在感」
日時:11月4日(土) 午後1時30分から
場所:瀬戸市美術館ロビー
○「“やきもの”の源流そして中国陶磁の“旅”」
日時:11月11日(土) 午後1時30分から
場所:瀬戸市美術館ロビー
○「“やきもの作り”のこだわりと陶磁鑑賞」
日時:11月19日(日) 午後1時30分から
場所:瀬戸市美術館ロビー
「作助を慕う作家たち展」
出品者: 太田公典、望月 集、安田律子、谷口幸二、前田正剛
大谷昌拡、與語小津恵、比護武司、小形こず恵、
佐藤文子、岩渕 寛、小枝真人、明石拓馬、
本多亜弥、三島愛子、板井玲子、李 地右、城田 領、堀川 展、北島里子、加藤圭史 合計21名
会場: 美術館2階企画展示室2
瀬戸市美術館 学芸員 服部文孝、松宮野衣
TEL 0561-(84)-1093 FAX 0561-(85)-0415