平成19年度市町村立美術館活性化事業 第8回共同巡回展
北大路魯山人(1883~1959)は、近年のグルメブームの火付け役、あるいは美的生活の早くからの実践者として高い評価を得ています。
また魯山人は、陶芸、漆芸、書、絵画、篆刻など幅広い分野で一流一派にとらわれない、魯山人の強烈な個性を発揮した芸術作品を生み出しています。この雅美あふれながらも豪放多彩な魯山人芸術は、没後五十年になろうとする現在もなお、年々その評価を高め、わたしたちの心をひきつけています。
北大路魯山人は、明治16年(1883)に京都に生まれ、不遇な幼年時代を過ごしますが、二十歳で上京して、ほぼ独学で書や篆刻を学び、若くして書家として名を馳せます。そして料理と陶芸に造詣を深めていき、大正10年(1921)には中村竹四郎と「美食倶楽部」を設立、大正14年(1925)には、東京の日枝神社境内に会員制による高級料亭「星岡茶寮」を設立し、自身が顧問兼料理長を勤めていきます。
そして翌年、星岡茶寮で使用する陶磁器を大量に生産するため、北鎌倉に星岡窯を築き、料理に使用する食器を自ら制作し始めました。魯山人は作陶にあたって、
九谷焼の須田菁華窯、京都の宮永東山窯などから陶工を招き、古今の多彩な技法
を駆使して織部、志野、黄瀬戸、古唐津、古備前、染付、赤絵などの作品を制作していきます。こうして、目で鑑賞するだけでなく、実際に料理を盛って使われることを
目指した魯山人ならではの生きた造形が表現されていきました。
本展は、公立美術館としては国内最大の魯山人のコレクションを収蔵する
世田谷美術館の協力を得て、魯山人
を支えた利根ボーリング社の創始者
である塩田岩治・サキご夫妻が世田谷
美術館に寄贈されたコレクションを紹介するものです。
これらの作品は塩田夫妻によって日々愛玩され、使用されていたものです。
陶芸を中心とした様々なジャンルの
作品群により、「昭和の光悦」と称えられた北大路魯山人芸術の精華をご覧いただきます。
(中学生以下、65歳以上、妊婦、心身障害者無料)
6月12日(火)
瀬戸市、(財)瀬戸市文化振興財団、第8回共同巡回展実行委員会
【後援】
中日新聞社、NHK名古屋放送局
世田谷美術館
【助成】
財団法人地域創造
魯山人の菓子器と「源 吉兆庵」製魯山人好みのお菓子をご用意します。
時間: 10時30分~15時
(お菓子がなくなり次第終了)
場所: 文化センター文化交流館3階茶室
茶券: 一席500円
問い合わせ先/市美術館 84-1093
■笠岡展(岡山県)
会場:笠岡市立竹喬美術館
会期:2007年7月21日(土)~2007年8月26日(日)
主催:笠岡市立竹喬美術館、第8回共同巡回展実行委員会
後援:山陽新聞社、笠岡市文化連盟
特別協力:世田谷美術館
助成:財団法人地域創造
■田川展(福岡県)
会場:田川市美術館
会期:2007年9月8日(日)~2007年10月21日(日)
主催:田川市美術館、第8回共同巡回展実行委員会
後援:福岡県、NHK北九州放送局、クロスFM
特別協力:世田谷美術館
助成:財団法人地域創造
■川越展(埼玉県)
会場:川越市立美術館・川越市立博物館
会期:2007年11月3日(土)~2007年12月16日(日)
主催:川越市立美術館、川越市立博物館、第8回共同巡回展実行委員会
特別協力:世田谷美術館
助成:財団法人地域創造
■北大路魯山人展 記念講演会(聴講無料)
演題: 魯山人芸術の特色
講師: 中ノ堂一信氏
(京都造形芸術大学 芸術表現・アートプロデュース学科教授)
日時: 6月24日(日)13時30分~15時
場所: 文化センター文化交流館22会議室
瀬戸市美術館 学芸員 服部文孝、松宮野衣
TEL 0561-(84)-1093 FAX 0561-(85)-0415