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アーカイヴ 2007-2008 >> PartT ヴェリミール・ヴキチェヴィッチ

 
セルビアでは数少ない陶芸コースの教授を務め、国際コンクールにも積極的に参加している。
近年は、磁土の白さと、そこから生まれる色彩と形態の調和に関心を抱いている。
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瀬戸で制作した
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One Summer Day
ある夏の日
Velimir Vukicevic (セルビア在住)
ヴェリミール・ヴキチェヴィッチ
滞在期間:2007年7月5日〜8月31日
経歴
1950年
セルビアに生まれる
1976年 セルビア応用芸術学校 陶彫部門専攻科卒業
1993年 セルビア応用芸術学校 陶彫部門教授
2001年〜 IAC(国際陶磁アカデミー)会員
展覧会歴
1980年 「ユーゴスラビア陶芸展トリエンナーレ」大賞
1995年
「国際陶磁フェスティバル美濃」
1996年 「ユーゴスラビア陶芸展トリエンナーレ」大賞
1998年 「国際陶磁フェスティバル美濃」
2000年 「益子陶芸展」 審査員特別賞
2003年
2005年
2007年
「韓国国際陶芸ビエンナーレ」
作者のことば
 瀬戸国際セラミック&ガラスアート交流プログラムへの応募に際して、新しい環境で自分はどのような表現ができるのか興味を覚えました。自分の知らない、これまでとは異なる素材を使って創作することになるだろう。それが私の作品に影響を与えるのだろうか。だとしたらどのように。

 日本は広い分野で非常に重要な役割を担っています。陶芸家である私にとって、日本に対する最大の関心事は陶芸の分野にあります。日本の洗練された独特の美意識と、現代陶芸と伝統陶芸の両方に対する関心と理解に、私は常日頃から驚嘆していました。
作陶中は自分の工房にこもりがちになる陶芸家にとって、日本で、とりわけ瀬戸市で活動できることはまたとない機会であり、意欲を掻き立てられるものです。自分の作品がどれほど訴える力を持っているのか、工房の仲間や町の人達がどのような反応を見せてくれるのかを知ることができるのですから。
私が作品を発表する理由のひとつに、その作品が人々の心に届くものであるかどうか、異なる背景や文化を持つ人々に何らかの感情を抱かせるものであるかどうかを知りたいという気持ちがあります。

 アイデアを最終的な作品に仕上げるまでの過程がすべてにおいて素晴らしく、このことが私を魅了し、更なる興味を沸き立たせ、次の作品へと駆り立てるのです。
これまでに私の作風は変遷を重ね、さまざまな段階を経てきました。

 近年は、強固な陶彫に繊細で軽い、主に色付けしたパーツを組み合わせる方法で絵付けを追及しています。この作業には、前もって制作の段取りを論理的に組み立て、異なるさまざま部材がひとつに構成されたとき、全体でどのような姿になるのかを考える必要があります。このようなスタイルを取るため、通常、私の制作意図が外部から大きく影響されることはありません。自分の中で咀嚼することが必要であり、それが自分にとっての価値観を生み出していくのだと思います。

 専門的な見地から、自分の作品が炎によってどのような姿に変わるのかを見極めながら、魅力あふれる陶磁器や陶器の彫刻に取り組むことを楽しんでいます。

 日本で過ごしたような平穏な時間を得ることは容易ではありません。母国では日々、片付けなければならない事柄が多く、創作だけに集中することはできません。本プログラムの素晴らしい運営の元、スタッフ、芸術家、アシスタントの皆様、瀬戸市新世紀工芸館および瀬戸市文化センターの皆様、そして市民の皆様のご好意により、私は全精力を創作活動に向けることができました。私にとってだけでなく、この機会が皆様にとっても実り多く、胸躍るものでありましたら幸いです。

 本プログラムに対しご尽力いただきましたすべての方々に心より御礼申し上げます。本プログラムのさらなる発展を信じてやみません。

 今も私は日本で受けた感動を形に表しています。日本での滞在経験は私を成長させ、更なる創作意欲を沸き立たせてくれます。


ヴェリミール・ヴキチェヴィッチ





Information お問い合わせ
【事務局】(公財)瀬戸市文化振興財団(瀬戸市文化センター内)
〒489-0884 瀬戸市西茨町113−3
TEL:0561-84-1093 FAX:0561-85-0415 
E-mail: seto.artistinresidence@gmail.com
http://www.seto-cul.jp/

【工房】瀬戸市新世紀工芸館
〒489-0815 瀬戸市南仲之切町81−2
TEL:0561-97-1001 FAX:0561-97-1005 
E-mail: sinseiki@gctv.ne.jp
http://seto-cul.jp/new-century/