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加藤孝俊 陶芸展

 

企画展「加藤孝俊 陶芸展」

加藤孝俊氏は、瀬戸市の染付磁器の名門である窯元「真玉園」に生まれますが、少年時代に大徳寺龍光院の曜変天目の神秘的な釉色の美に出会った経験から、後に釉薬の研究に打ち込むようになります。そして長年学んだ窯業化学を基盤に、中国宋時代の陶磁を再現するという夢のため研究に取り組み、鉄釉一連の釉薬を解明、油滴、紅瓷、青瓷、釣窯月白、紫紅釉を完成させました。そのあくなき追求心の成果は作品に活かされ、1969年には、第16回日本伝統工芸展に「油滴天目」が入選しました。今回の展覧会では、氏が厳しい道のりを経て完成させた釉薬の美しい色調がみられる陶芸作品約20点を展示します。

<加藤孝俊 略歴>
1917(大正6)年 愛知県瀬戸市で代々染付磁器を製作する窯元「真玉園」の嫡男として生まれる
1933(昭和8)年 中京商業学校卒業
身体の不調で、進学を断念。義兄の故小林茂(現東京工大卒)より窯業化学、有機化学の基礎と実習を徹底的に学ぶ。戦時中、生家真玉園窯元を継ぎ、拓務省嘱託技術者としてセラミック製造
の指導にあたる。
1945(昭和20)年 戦後いち早く対米輸出の磁器製造に転換、瀬戸における輸出食器に先鞭をつけ
て、業界に多大な影響と刺激を与えた
1965(昭和40)年 中国宋時代の磁器を再現する夢を果たすため、長年蓄積した窯業化学の学識を
生かして宋窯陶器に取り組む。宋窯陶器の化学的な解明は、深淵で、物心両面の全てをかけた
厳しい道であったが、鉄釉一連の釉調の解明を果たし、鉄を主成分とする釉薬より赤、青、金色、
銀色など多彩な色調を表現することに成功。油滴、紅瓷、青瓷、釣窯月白、釣窯紫紅釉などを完成した。
1967(昭和42)年 工房に高松宮殿下をお迎えして作品をご説明、お買上げを賜る
1969(昭和44)年 第16回日本伝統工芸展に油滴天目を出品、入選。各地の美術館より買い上げら
れる。以後団体展に不出品の野人陶芸家として作陶活動を続ける。
1977(昭和52)年 毎日新聞社主催”神秘な宋窯の追求者「加藤孝俊作陶展」”(大阪心斎橋・大丸)
1981(昭和56)年 第6回日本陶芸展招待作家として出品
毎日新聞社主催「加藤孝俊展」(東京日本橋・髙島屋)
1982(昭和57)年 NHKテレビにて「孤高の陶芸家・加藤孝俊」放映
1986(昭和61)年 古希記念「加藤孝俊茶盌展」(名古屋・松坂屋)
1999(平成11)年 10月26日 没

名  称 加藤孝俊 陶芸展
会  場 瀬戸市美術館
日  程 2011年08月06日(土) ~ 2011年09月25日(日)
時  間 9時~17時(入館は16時30分まで)
料  金 300円(240円)、高大生200円(160)円
20名以上の団体は( )内の入館料
※中学生以下・65歳以上・妊婦・心身障害者は無料
ご案内 1 [作品画像]
(上)釣窯緑苔壺 昭和50年 高さ30.5cm
(下)油滴天目 昭和48年 口径12.5cm
問合せ先 瀬戸市美術館
〒489-0884愛知県瀬戸市西茨町113-3 瀬戸市文化センター内
TEL/0561-84-1093 FAX/0561-85-0415 Email/art@city.seto.lg.jp
メールアドレス art@city.seto.lg.jp
参照URL https://swgate.drp.jp/http://www.seto-cul.jp/seto-museum/